0円移籍について誤解が多い気がするので、少し記事を書いてみようと思う。
結論から言うと、日本でよく言われている0円移籍問題は
「日本のクラブが世間知らず、または、選手の給料をケチっている」が原因であると思う。
なんというか
「給料上げたくないから契約更新しないけど、移籍はしないでね!うちのクラブを愛してるでしょ!」という、ブラック的な印象を受ける感じである。
よく言われている0円移籍は以下の2つに分類されるはずである。
1.契約満了による、フリーの状態で次に契約を結ぶ。
(フリーからの契約なので、厳密に言うと移籍と言うべきではない気がする。しかし、基本的に0円移籍はこのパターン)
2.移籍金0円で契約解除する条項が盛り込まれている契約を結んでいる。
(個人的には信じられないのだが、どっかの記事で見た気がする。ほとんどないはず。)
2のパターンはほぼ無い(はず)なので1の話をする。
通常の移籍金が発生する移籍の話をする。契約には契約期間と言うものが存在している。その間、選手は契約先のクラブの保有となる。よって、選手がクラブを変えたいからといって、勝手にできるものではない。移籍する先のクラブが、移籍元のクラブに選手の契約を破棄するための違約金、一般的に言われる移籍金を支払って、契約を解除した上で、新しいクラブと契約を結ぶ。
一方、
0円移籍というものは、厳密に言うと、既存の契約が切れたあとに、新しい契約を他のクラブと結ぶことである。なので、破棄するべき契約が存在しないので、契約を破棄するための違約金つまり移籍金は発生しない。既存の契約とは基本的に無関係なので、事前に所属していたクラブへ何かしらの通知をする義務はない。(でも、間違えて多重契約をしないために、事前に連絡を取ることが多いらしが。)
FIFAの移籍のルールでは、契約が切れる6ヶ月前から、契約切れ後の新しい契約を所属クラブと結ぶことができる。選手も無職にはなりたくないので、当然の権利といえるだろう。岡崎の0円海外移籍とかは、確か日本のクラブがこの事を知らなかったからだったはず。というか、日本人選手の海外0円移籍はだいたいこれだと思う。俗にこの移籍は「ボスマン移籍」と呼ばれるので、検索するとこの話はいくらでも出てくる。
なので、
世界的には、残り契約期間は基本的に6ヶ月をきることがマレである。そもそも、1年になることも少ない。残り半年で0円移籍が可能になるので、移籍金が低くなる。よって、残り2年で契約は更新する。もっというと、
将来有望な選手、急成長した選手、主力選手はどんどん契約を更新する。契約更新を更新すると、当然、給料もどんどん上がる。しかし、それには当然のデメリットがあって、長期契約を結んだからといって、選手が契約の終わりまで活躍するとは限らないし、選手生命に関わる大怪我をしてしまうこともある。
もちろん、ステップアップをしたい選手は長期契約を結びたくないだろう。そういう場合は、ある決まった額の移籍金のオファーが来たら、絶対に契約を解除するという契約を結ぶのが普通である。なので、急成長して市場価値が上がった選手は、その決まった移籍金の額を上げて契約を更新する。
逆に言うと、契約が残り1年となる選手は以下の2つになる。
1.現在所属しているクラブでは不要の選手で契約更新をする気が無いが、獲得したがっているクラブはない。
2.選手がひたすら契約更新を拒否して移籍したがっているが、クラブが認めてくれない。
以上の世界的な慣例から言うと、主力選手だろうが将来有望選手だろうが短期契約を結んで、契約ギリギリまで更新をせず、どんどん移籍金0円で選手を取られていく日本のクラブを理解することができない。クラブが自ら、タダで選手を放出する環境を放置しているとしか思えない。
たまに「有望な選手は海外に移籍したくないから、長期契約を結びたがらない」と言う話を聞くが、前述の通り、そういう場合は、妥当な額の契約解除を行う移籍金を契約に盛り込む。選手は移籍してしまうが、なんだかんだクラブにはそこそこ移籍金収入が入るので、選手とクラブで互いに大きな損はしない契約である。
個人的には今の日本のクラブは、給料を上げたくがないために、契約更新を渋った結果、どんどん0円で移籍されているようにしか見えない。長期契約を結ばないことは、クラブが選手に対して誠意がないとか、出ていってくれても問題ないよという意味と取れるし、そもそも長期契約を結んでいれば問題は発生しない。
日本のクラブが早くグローバルスタンダードな契約や移籍ができるようになり、マヌケな移籍がおこらないようになって欲しいと思う次第である。
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